スターバックス顧客体験調査~ちょっとマーケティング的なことも絡めて~
どうも、くまごろうです。
今朝、スタバにいきまして、いつものようにラテをお願いしました。
そしたら、盛大にながーいレシートが出てきました。
店員さん「あ!お客様、店舗満足アンケート、ご存じですか?」
くま「あ、いえ、知らないです」
店員さん「こちら、ときどき出てくるのですが、レシートに書かれているサイトにアクセスいただき、アンケートにご回答いただくと、ドリンクを一杯無料で差し上げるものなのです。めったに出ないので、もしよろしければご協力いただけますか?」
くま「はい、わかりました」
ということで、めったにない機会なので、アンケートに答えてみました。
アンケートはこんな感じでした
さっそくレシートに書かれているサイトに行ってみました。
アンケートの構成は、まずはレシートをもらった購入について、買ったものや、店内、店外のどちらで飲んだか?など事実に関する質問から始まりました。
その後、今回の店舗体験に関する感情を聞く満足度系の質問が続きます。
けっこう細かいことも聞いてきます。マクドナルド会長の原田さんが飲食店の大事な基本「QCD(クオリティ、クリンネス、デリバリー)」もきちんとおさえた質問でした。
後半には「また着たいか?」とか「お友達に勧めたいか?」という質問が続きます。
顧客の定着化や他者への推奨意向に関連する質問で興味深かったです。
そして最後の最後で、年齢、性別、都道府県などを聞かれて終了です。
気づきその1:とてもアンケートの基本に忠実で美しい質問構成
これけっこう難しいんです。
リサーチの仕事をしていると、関係者の思いがまぜまぜ状態になり、なんだか意味不明なアンケートになること、あったりします。
アンケートに答えているとき「この人たち、何を知りたいんだろう?」って思うことありませんか?
そういうとき、組織のいろんな人の思いをてんこ盛りにして、エイ!とはじまったリサーチだと思ってください。
だいたい、そういうリサーチをしたあとは報告会で「で、なにがわかったの?リサーチなんてムダじゃないか?」と、おじさんたちから罵倒されます。*1
それはさておき、美しいところをあげます。
- 導入は答えやすく、かつリサーチで抑えるべき事実の確認から入ってる。
- 感情の確認を、多面的にサービス評価を把握できるようにしている。
- 事実と感情の質問比率では、事実確認に比重をおいている。
- 自社だけでなく競合に対する回答者の立ち位置の把握につとめている。
- 答えたくないプロフィール質問を一番最後に持ってきている。
このどれもが、質問票のつくり方とかで習うんですが、けっこうできていないんですよねぇ。
特にやってしまうのは「感情」系の質問の配分を多くしてしまうこと。
感情は聞きたくなっちゃうんですが、そんなに実にならない結果が出るんです。
たとえば「満足していますか?」と質問して「不満です」と返ってきたとします。
で、残念な質問票だと「どこがご不満でしたか?」までカバーしていないんです。
感情を聞いたら「理由」をセットにしないと意味がない。だけど、予算や質問量の都合で「理由」の質問を削っている。
だから、事実を、定量的に答えられる事実を聞き、その回答と感情系質問の回答をクロスしたほうが、はるかに有意義なアンケートになります。
スタバさんのアンケートは、構成、配分、事実と感情の組み合わせ、どれもなかなかだなぁと感じました。
気づきその2:アンケートの内容と企業ミッションの一貫性
スタバさんがかかげる「OUR STARBUCKS MISSION」。
ここに書かれていることは、スタバさんが企業として社会に、従業員に、顧客に、取引先に、関係する人たちに対し、「我々はこうありたい!」と宣言しているものです。
http://www.starbucks.co.jp/company/mission.html
アンケートでは、この企業ミッションが、ひとりひとりの顧客体験できちんと達成できているか?を測る姿勢を感じました。
これもすごい!と思いました。
だって、企業理念やビジョン、ミッションをそのままダイレクトに、組織の外のお客様に問うことなんて、体験したことほとんどないですよね。
つまり、経営の根底にある部分から、それをお客様に伝える人たちまで、あらゆるスタバに関係する人に、このミッションが染み込んでいないと、こういうアンケートにはならないはず。
これ、ほんとに大事なことなんだけど、そもそも提供している製品やサービスが、企業理念やビジョンと違っていることが多々ある時点で、一貫性が保たれていませんよね。
だからこそ、スタバさんの想いとサービスと、それをチェックするところまでが一貫性を持っている域にまで達するってほんとにすごいと感じました。
楽しい顧客体験であるとともに、スタバさんの企業としての強さを垣間見たひとときでした。
さてと、アンケート回答でもらったチケットで、コーヒーもらいにいこうかな。
*1:って、無邪気になんでも聞いてみようといったのは、お前たちぢゃないか!!!とココロで思っても、決して口には出さないように